看護

ICU(集中治療室)ってどんなとこ?ICUで働くメリットとデメリットは?

ICU(集中治療室)で看護師として勤務をしているミダ猫です。

看護師さんや看護学生さんの中には『ICUの看護師の業務』が気になっている人もいるのではないでしょうか?実際筆者もICUで働くまでは、ICUにおける看護師の役割がいまいちわかっていませんでした。

いざICU看護師として働いてみると『やりがいのある職場』でした!筆者はICU看護にハマってこのブログを立ち上げてしまいました(笑)。

ICUは「重症患者さんが多い」「勉強が大変そう」とネガティブなイメージがあるかもしれませんが、働いてみるとメリットがたくさんあることに気が付きます。

そこで実際にICUで働いている筆者が、ICU病棟の特徴やICUで働くメリットやデメリットを記事にしてみました。興味がある方は是非参考にしてみてください。

 

ICUの特徴

患者さんの重症度が高い

皆さんがイメージするのがこれだと思います。実際に筆者もICUで働くまでは「患者さんが重症」というイメージが一番強かったです。

たしかに入室する患者さんは重症で、心電図やパルスオキシメータはもちろんでAライン、CVカテーテルなど患者さんの側には生体モニターが必ず装着されます。

輸液は全てポンプ類で管理、シリンジポンプが数台並んでいることも多いです。場合によってはIABPやPCPSといった補助循環が留置されていることもあります。

 

IN・OUTのバランス管理、厳密な血圧や呼吸のアセスメント、痛みや鎮静の評価と鎮静剤や鎮痛剤のコントロール、大きな手術の術後管理などなど一般病棟では行わないような看護が特徴的です。

ICU入室例としては『心肺停止蘇生後』『敗血症性ショック』『重症熱傷』『心臓手術後』など、高度な治療を要する患者さんの受け入れを担います

ICUに入室する患者さんは重症!一般病棟では行われないような観察や処置が必要になる。

ベッドの数が少ない

病院によって病床数は違いますが、ICUは一般病棟よりベッドの数は少なくなります。

少ない病院ではICUが4床という病院もあります。ICUに入室する患者さんは重症なので、医療介入が多くなります。

医師や看護師の数が十分でないと、必要な医療が提供できなくなる可能性があります。そういった理由から看護師が一人あたり受け持つ患者さんの数は少ないのです。

日勤では看護師1人が患者さん1名をマンツーマンで担当するICUも存在します。筆者の施設では看護師1人で2名を担当します。夜勤では多くても看護師1人で患者さんを4名担当します。

ICUでは看護師1人に対して1~2名の患者さんを担当する

看護必要度がICU専用である

病棟で働く看護師さんならご存知の『看護必要度』です。看護必要度は「患者さんに必要な看護を数値化したもの」であり、看護必要度は病院の収入である『診療報酬』の評価にもかかわってきます。

ICUは看護必要度が特殊で専用の項目となっています。これは「軽症の患者さんをICUに入室させることで、ICU加算を得ることを防止する措置」の為です。

 

ICUの看護必要度は『モニター装着』『シリンジポンプの使用』『輸液ポンプの使用』といった三項目だけでは、「看護必要度が満たしていない」と評価されます。

『中心動脈圧測定』や『動脈圧測定』といった項目を満たして、ICU看護必要度が満たしていると判断されます。看護必要度はICUに入室する判断材料の一つとなります。

ICUの看護必要度は専用のものを使用する。 

患者さんの回転が速い

ICUは重症な患者さんを担当しますが、患者さんの回転が速いのです。

その理由としては以下の通りです。

①緊急の重症患者さんの為に、治療がひと段落した時点でICUのベッドを空ける必要がある。

②特定集中治療室管理料と呼ばれる加算、いわゆる『ICU加算』が「7日以内の期間」と「8日以上14日以内の期間」と定められている。

①は治療がひと段落した時点でベッドを空けないと、次の重症患者さんの受け入れができなくなる可能性があるので、治療が進めば早期にHCU(高度治療室)や一般病棟へ異動となります。

②は経営的な側面があり、「ICUでは15日以上滞在すると加算が受けられない」というルールがあります。その為14日を超える患者さんは、治療の途中でもHCU病棟へ移動する場合もあります。もちろん重症の場合は期間を超えてもICUに滞在する場合もあります。

 

上記の理由から、「重症患者さんを担当する病棟だけど患者さんの回転が早い」という特徴があります。

ICUは患者さんの回転が速い。

家族ケアが必要になる場面が多い

ICUでは術後管理でもない限り予定入院は無いので、ほとんどが急変での入室になります。

特に院内で心停止蘇生後など、家族が医療者に不信感を募らせているケースも少なく無いです。重症患者さんの家族は医療者の言動や態度を厳しく見ることもあり、ICUの医師・看護師は家族への丁寧な対応が求められます。

また患者さんの治療が奏功せず、厳しい状態が続くときは家族の疲労や不安に寄り添うケアも必要になります。このように家族ケア』求められるのがICU看護師なのです

ICUは看護師は家族へのケアも重要になる。

メリット

残業が少ない

これは病院によると思いますが、ほとんどの施設のICUでは残業が少ないと思います。

理由としては患者さんの数が少ないので、看護記録も少なくなります。患者さん1人に対しての記録は多いのですが、全体的な看護記録の量は少なくなります。

また保清や食事介助といった業務も少ないので、業務時間内に処置や記録が終わる場合が多いです。

もちろん急変や緊急入室で残業となる場合はあります。カンファレンスなどで残業となるケースもあると思いますが、一般病棟よりは残業の割合が少なくなります。

 

稼ぎたいって人にはメリットではないかも知れませんが、『残業が少ない』のは看護師にとって魅力的なメリットだと思います。

重症患者さんに対する知識・看護が身につけられる

ICUでは『使用する薬剤が多い』『人工呼吸器管理が多い』『鎮静薬を使用する場合が多い』『手術後の観察も行う』といった特徴があります。

カテコラミンや抗生剤、鎮痛剤・鎮静剤、抗痙攣薬など様々な薬剤が同時に投与される場合もあります。シリンジポンプなどの機器の取り扱いはもちろん、『どの薬剤をどのルートに繋げるか』といった部分まで気を配る必要があります。

血圧低下に対し、大量の昇圧剤を使用している患者さんでは、薬剤の交換で容易に血圧が低下する場合があります。そういった患者さんに対し、血圧低下を最小限にするための薬剤交換のテクニックなど、ICUならではの技術が習得できます

 

人工呼吸器はほぼ毎日使用されているので、実際に人工呼吸器を使用している患者さんを担当することで理解が深まります。

人工呼吸器を使用した患者さんの吸引や体位変換、鎮痛・鎮静管理、事故抜管予防などは自身の看護のスキルアップに繋がります。

勉強することは多いですが、ICUで働くことで看護師としてどこでも働ける知識が身につきます。

急変対応の知識が身につく

ICUでは状態が不安定な患者さんが急変することもあります。もちろんその場合は急変対応が必要になります。

気管挿管や緊急気管切開、心停止における蘇生、場合によっては緊急開胸での心臓マッサージを行う場合もあります。

急変時には医師とともに医療機器を用いた高度な急変対応を行う場合があります。ICUでは普段から気管挿管や気管切開などの処置もしているので、急変対応について学びたいならICUはおすすめです。

デメリット

重症患者さんが多く精神的疲労が大きい

人工呼吸器や昇圧剤を使用している患者さんが多く、厳密なモニタリングが必要になり看護師のアセスメント能力も求められます。

治療が奏功せずに状態が悪くなる患者さんも多いです。場合によっては胸骨圧迫などの蘇生も必要となります。

重症患者さんの家族ケアも必要になります。重症患者さんを担当しているので、ICUでは一般病棟とは違ったストレスを感じる場面が多いです。

医師とコミュニケーションが多くなる

ICUは医師が常駐していることがほとんどで、処置なども多く医師とコミュニケーションが必須になります。

気の合う医師ならいいのですが、嫌な医師とも色々な処置をしなければいけない場合も多いです。中には看護師ではなく医師との人間関係が原因で離職する看護師もいます。

まとめ

ICUで働くメリットとデメリットについて記事にしてみましたが、あくまで筆者の体験からの記事なので病院によって違う部分もあると思います。

ICUに興味がある看護師さんや看護学生さんは参考になりましたか?ICUで働くことは自身の看護スキルの向上になると思うのでおすすめです。

 

筆者はICUへ部署が変わった時には不安でしたが、今では自身の看護のスキルアップになったので、ICUで働くことができてよかったと思っています。

就職や転職を考えている人は、ICU看護を経験してみてはいかがでしょうか。