看護

ICDSCとCAM-ICUの違い、せん妄の評価はどちらが使いやすい?

せん妄のアセスメントツールは何種類かありますが、ICUにおけるせん妄の評価ツール(アセスメントツール)は『ICDSC』と『CAM-ICU』が主流だと思います。

J-PADガイドライン(日本版・集中治療室における成人重症患者に対する痛み・不穏・せん妄管理のための臨床ガイドライン)においても、せん妄管理においてCAM-ICUやICDSCによる評価をルーチンで行うことを推奨しています。

しかしICDSCとCAM-ICUは評価方法が異なる為、それぞれのメリットやデメリットを理解して評価する必要があります。

この記事ではICUにおけるせん妄評価はICDSCとCAM-ICUのどちらが使いやすのかをまとめてみました。

なぜせん妄の評価が必要?

看護師の経験による主観的な評価では、せん妄が見逃しやすいと言われています。特に会話や活動が低下する、低活動型のせん妄では大半が見逃されているとされています。

ICUにおけるせん妄の多くは低活動型のせん妄であり、低活動性のせん妄は評価ツールを使用する事で発見しやすくなります。

つまりせん妄の評価ツールなくしてせん妄の発見は難しいということです。



ICDSCとCAM-ICUの比較

せん妄の評価ツールである、ICDSCとCAM-ICUを紹介し、それぞれの比較を行なっていきます。

ICDSC

画像参照元:看護roo!

ICDSCは8時間or24時間毎に評価を行ない、それぞれの項目に該当すれば1点とし、合計点でせん妄の有無を評価します。4点以上でせん妄と判断し、2~3点はせん妄のグレーゾーンとして判断します。

CAM-ICU

画像参照元:呼吸内科医https://pulmonary.exblog.jp/

CAM-ICUは患者さんに質問を行ない、その反応をフローチャート形式で進めていきます。ICDSCと違い、点数で表さずにせん妄あり・せん妄なしと判断します。

それぞれのメリットデメリット

それぞれ患者さんが覚醒している状態で評価します。

ICDSCのメリットとして、患者さんの協力が不要で、評価が比較的簡単です。また数値で表されるので、せん妄の強弱が数値でイメージしやすくなります

デメリットとして、今現在のせん妄ではなく、その勤務帯でのせん妄の有無を判断する事。せん妄でない患者さんの36%がせん妄と判断されてしまう事です。

CAM-ICUのメリットはICDSCが各勤務帯のせん妄の有無を評価しますが、CAM-ICUは今現在のせん妄の有無を評価する事ができます

デメリットとして、患者さんの協力が必要である点。ICDSCよりも評価方法が煩雑である点です。



ICDSCとCAM-ICUはどちらが使いやすい?

単純に使いやすさなら、ICDSCの方が患者さんの協力を必要としない分使いやすいです。

しかしそれぞれにメリットとデメリットがあるので、一概にどちらが優れているという訳ではありません。両方を使い分けるのが一番良い方法です。

筆者の施設では日勤、準夜、深夜の各勤務帯でICDSCによる評価をルーチンで記録しています。ICDSCは数値で表されるため、ルーチンで記録しておくことで、数値の変化がわかりやすくなります。

基本的にはICDSCでせん妄のあり、なしを判断していますが、ICDSCのスコアが2~3点とグレーゾーンであったり、ICDSCのスコアは低いがせん妄が疑われる場合には、CAM-ICUによる評価を行うようにしています。

筆者の感覚では、ルーチンによるせん妄の評価ではICDSCが使いやすく、今現在のせん妄の有無を評価する時はCAM-ICUが使いやすいです。

まとめ

・せん妄管理においてCAM-ICUやICDSCによる評価をルーチンで行うことが推奨されている

・看護師の経験による主観的な評価では、せん妄が見逃しやすい

・ICDSCは患者さんの協力が不要で、数値でせん妄の評価を行う。せん妄の強弱が数値でイメージしやすい

・CAM-ICUは今現在のせん妄の有無を評価する事ができる

・ルーチンによるせん妄の評価ではICDSCが使いやすく、今現在のせん妄の有無を評価する時はCAM-ICUが使いやすい

せん妄の看護を行うには、まずせん妄の評価をしっかりと行う必要があります。特にICUではせん妄の発生率が高いため、病棟全体でせん妄対策に取り組む必要があります。