看護

HCU(高度治療室)ってどんなとこ?HCUで働くメリットとデメリットは?

看護師さんや看護学生さんの中には『HCUの看護師の業務』が気になっている人もいるのではないでしょうか?現在筆者はICU・HCU病棟で勤務をしていますが、働くまではHCUにおける看護師の役割がいまいち分かっていなかったです。

HCU(高度治療室)と聞いてどんな職場をイメージしますか?重症患者さんが多い、緊張感のある職場、専門的な知識が必要など様々だと思います。

この記事では実際にHCUで働いている筆者の実体験をもとに、HCUで働くメリットやデメリットをまとめてみました。是非HCU病棟に興味のある方は参考にしてみてください。

ICUとHCUの違いは?

HCUは看護必要度がICUよりも厳しくないのですが、一般病棟よりは入室基準が厳しくなります。

HCUではICUより重症度は低いけれども、一般病棟の看護師配置基準(7対1や10対1など)で看護するには難しい状態の患者を対象としています。

診療報酬の加算日数もICUの14日とは違い、21日間になるので、HCUは1回の入院で最大3週間入室する事が出来ます。

 

HCUの特徴

ではHCU病棟の特徴を3つ紹介していきます。

一般病棟より重症度の高い患者さんが多い

ICU程ではありませんがHCUは一般病棟では対応困難な患者さんが入室する事が多いです。

重症患者さんだけでなく、重症になるリスクが高い患者さんが入室する場合もあります。一般病棟では対応の難しい手術後の患者さんを管理する事も多く、様々な疾患の患者さんが入室します。

ICUと一般病棟の架け橋的な役割

ICUのメリットとデメリットの記事で紹介しましたが、ICUは基本的に14日までしか滞在できない決まりがあります。

14日経過してもまだ状態が不安定な患者さんや、ICUでの治療は終了したが一般病棟に退室するには状態が不安定な患者さんはHCUに一旦入室し、その後に一般病棟へ退室する事が多いです。

その為HCUはICUと一般病棟を繋ぐ架け橋的な役割を果たしています。

看護師が担当する患者さんは少な目

一般病棟よりも重症患者さんを担当するので、基本的に看護師一人あたりの担当患者さんの数は少なくなります。

病院にもよりますが看護師一人あたり2~4人程度の患者さんを担当する事になります。

もちろん夜勤でも担当する患者さんは少ないので、一般病棟よりも記録や処置は少なくなる傾向にあります。



HCUで働くメリット

残業が少ない

HCUではICUと同様に残業が少ない傾向があります。担当する患者さんの人数が少ないので、記録に要する時間が少なくなって残業するケースは少なくなります。

ICUほどカンファレンスに時間がかからない、ICUよりも申し送りが少ないので勤務交代がスムーズにいきやすいというメリットもあります。

急変や入室などで残業する場合もありますが、比較的残業が少ないのが特徴です。

様々な疾患や急変対応の知識が身につく

ICU程では無いですが、HCUでは一般病棟よりも使用する薬剤が多い、人工呼吸器管理が多い、術後の管理も行う、といったような特徴があります。

気管切開の管理やCHDFなどの血液濾過、大動脈バルーンパンピングなどの治療が行われる事もあるので様々な知識が身につく職場です。

また状態の不安定な患者さんも多いので急変するリスクも高く、急変対応をする場合も多いです。

医師やセラピストと関わる機会も多く、様々な知識が身につくので、勉強したい人や若いうちに知識を身につけておきたいと考えている人にはオススメです。

ICUよりも患者さんとコミュニケーションが取れる

HCUではICUよりも患者さんとコミュニケーションが取りやすい場合が多いです。

ICUでは気管挿管管理により鎮静中であったり、意識が無い患者さんも多いですが、HCUでは比較的コミュニケーションが取れる患者さんが多いです。

患者さんとコミュニケーションを取るのが好きならばICUよりHCUの方がおすすめです。



HCUで働くデメリット

緊急入室が多い、患者さんの回転が早い

HCUでは予定入室はほぼ術後入室のみであり、昼夜を問わず緊急入室があります。

1回の夜勤で何人も入室する事もあり、筆者は4床しかないのに6人分の記録を書かないといけないケースもありました。

緊急入室の場合は患者さんの状態が不安定な場合がほとんどなので、入室を急がされたり、場合によってはHCUに入室している患者さんを退室させてから緊急入室させないといけない場合もあります。

日々の忙しさにバラツキがあるので、ゆっくり働きたい看護師さんにはHCUは大変かも知れません。

またHCUはICU同様に患者さんの回転が早く、状態が良くなればすぐに一般病棟へ転棟になります。

患者さんが良くなったと思えば、すぐに退室となり、新たな重症患者さんが入室となるので、HCUでは重症患者さんばかり担当するストレスがあります。

患者さんの大変な時期を担当するストレス

緊急入室が多い、患者さんの回転が早いの項でも述べましたが、HCUでは患者さんの状態が良くなれば一般病棟へ退室となります。

なのでHCUでは患者さんの入院生活の中でも大変な時期を担当する事が多いです。

具体的に言えば、気管切開後のコミュニケーションが取りにくい時期や人工呼吸器離脱後の呼吸状態が不安定な時期等です。

この時期はせん妄となる事が多く、ADLも低下している為介護量も多くなります。

患者さんやその家族に対しての精神的なケアも必要となるので、看護師のストレスも多くなりやすいと思います。

特に家族ケアが苦手な看護師さんだとHCUでの勤務は大変かも知れません。

継続して勉強が必要

HCUでは様々な疾患の対応が必要になります。心不全、術後、カテ後、心肺停止蘇生後、痙攣、薬物中毒などなど

もちろん人工呼吸器の管理やドレーン管理などの知識も必要になります。筆者も異動してから分かったのですが、本当に勉強する事が多いです。

自ら学ぼうとする姿勢がないとHCUでの勤務は大変かも知れません。

まとめ

・HCUは一般病棟よりも重症の患者さんを担当する

・ICUからの転棟、術後入室、緊急入室と様々な患者さんが入室する

・残業は比較的少ないのが、看護師は継続して勉強が必要

HCUはICUと比べると患者さんの重症度も低く、残業も少ないため意外と穴場な職場かも知れません。しかし継続して学習が必要なので、勉強が苦ではない看護師さんにおすすめです。

残業が少ないと給料が少なくなるので、稼ぎたい方にはおすすめできないかも知れません。

筆者のように子育て世代などで、できれば残業はしたくない看護師さんにはHCUはおすすめです。