最近ではドラマもそうですが、医療漫画も『リアル』なものが多い印象です。
また医療漫画はドラマ化する割合も多く、ドラマを観てから原作の漫画を探す人も多いと思います。
今回は漫画好きな筆者が選んだ漫画をランキング形式で発表したいと思います。
目次
10位:透明なゆりかご
最近NHKでもドラマ化された『透明なゆりかご』です。
小さな産婦人科で働く看護師見習い目線で描かれた作品です。
中絶や子捨て、飛び込み出産などが生々しく描かれていますが、独特の優しいタッチで描かれているので普通に読めます。
すべての出産が喜ばれるわけでは無いということ、命が生まれる現場の現実を描いています。
少女漫画の分類ですが男性にも読んでほしい作品です。
作者の沖田×華(おきたばっか)先生の新しい作品で、緩和ケア病棟を題材とした『お別れホスピタル』もおすすめです。
9位:天胃医無縫シリーズ
アメリカ帰りの天才外科医が様々な手術をしていく漫画です。
主人公の毒島丈が超絶ストイックで妥協を許さずに医療を行う姿に、周りの人間たちも心を動かされていきます。
結構古い漫画ですが、救急現場で洗濯バサミを利用してのトリアージなど面白いエピソードも多いのが魅力です。
手術のエピソードが多いのでオペナースにぜひ読んでもらいたい一冊です。
8位:ゴッドハンド輝
ドラマ化もされたことのある、少年マガジンで連載されていた作品です。
医療漫画では珍しく全62巻という長期連載された作品でもあります。
第一話で研修が終わった 主人公の真東輝が、指導なしでいきなり人工心肺を使用した手術をするなど中身はなかなかぶっ飛んでいますが、少年漫画ということで医療に興味のない子供でも読みやすい作品だと言えます。
少年漫画らしくライバルとの戦い(手術時間を競う)などが多く、「氷凍(こおり)のメス」や「絶対的天運」などバトル漫画さながらの異名も登場しますw
老若男女問わずおすすめの作品です。
7位:スーパードクターKシリーズ
同じく少年マガジンからスーパードクターKを紹介します。
表紙を見たらわかると思いますが、主人公が北斗の拳のケンシロウみたいですw
野獣の肉体と天才的頭脳をもつ『K』が時にはバトル、時には手術をするという漫画です。
バトル漫画の様で、しっかりと医療についても描かれているので医療従事者が読んでも面白い作品です。
重力下では手術成功率0%なので人類初の無重力手術に挑む、などぶっとんだエピソードも多いですw
続きもので『ドクターK』や『K2』といった作品も出版されています。
6位:ブラックジャックによろしく
研修医目線で大学病院や医療現場の現状を描いている作品です。
タイトルにブラックジャックとありますが、とくに手塚治虫先生とは関係は無いそうです。
産婦人科でのダウン症の子供の話や、精神科の問題などが生々しく描かれています。
漫画を読んで「医者になりたい」と思うことがあると思いますが、この漫画は「医者にはなりたくない」と思ってしまうような医者がたくさん登場します。
医療漫画にしては珍しく主人公が何の特技もなく、自分の無力さを痛感するという話が多いのが特徴です。
作者が出版社と揉めた経緯があり、途中で出版社が変わり「新ブラックジャックによろしく」となっています。
5位:麻酔科医ハナ
オペナースには是非読んでほしい本です。
筆者が手術室で働いていた時に、現役の麻酔科医が「この漫画おすすめだよ」というくらいしっかりと麻酔科について描かれています。
それもそのはず本物の麻酔科医が作成に協力しているのです。
ガムエラスティックブジーや今は無きトラキライトなどマニアックな麻酔科グッズも登場します。
看護師でも「麻酔科医ってどんなことしてるんだろう?」と思う人が多いはず、是非医療者に読んで欲しい一冊です。
4位:医龍
ドラマ化もされてご存知の方も多いと思う「医龍」です。
とにかく主人公の朝田龍太郎がかっこいい!名言も多い!
しかしこの漫画の見どころは研修医の伊集院が朝田と出会い、医師として成長していく姿だと思います。
朝田のような天才ではないし、性格も卑屈だけどそれが読者に近い存在で応援したくなるキャラなのです。
オペナースが血管採取をしたり腸と心臓のオペを同じ器械で手術したりと、医療者から見ればツッコミどころも多いですが、漫画そのものの出来がいいので気になりません。
上半身裸で手術のイメージトレーニング・・・、実際にやったら変質者なんですけど、それがかっこいいのが朝田龍太郎です。
とにかく魅力的なキャラが多く、「こんな医者になりたい!」と思わせるような漫画です。
3位:コウノドリ
ドラマ化されて一気に有名になった産婦人科の医療を描いた作品です。
産婦人科だけでこんなにも話があるの?ってくらい色んな話が描かれています。
子供が無事に生まれるというのが当たり前ではなく、奇跡であると主人公のサクラが言うように、出産というものが当たり前ではなくそれぞれにドラマがあるのだと教えてくれます。
主人公のサクラは実際の医師がモデルなので、医療関係者が見ても違和感の無い内容になっています。
主人公だけでなく周りのキャラクターも魅力的です、とくに筆者は助産師の小松さんは名言も多く、親しみやすいキャラクターで好きです。
11巻の子宮内胎児死亡のエピソードが一番印象に残っています・
原因不明の胎児死亡ですが、誰が悪いわけではないのに母親は自分を責め、夫へ謝ります。
亡くなった赤ちゃんをお産する横の部屋では元気な赤ちゃんが生まれている。
子供がいる人は感情移入してしまいますよね、涙なしでは読めないエピソードです。
多胎、未熟児、無痛分娩など医療者でも知らないことがリアルに描かれているおすすめ作品です。
2位:JIN
JIN―仁― 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
リアルな医療漫画もおすすめですが、やっぱり漫画なのでフィクションも楽しみたい時はJINがおすすめです。
現代の脳外科医が江戸時代へタイムスリップするという話です。
ドラマ化もされているので有名ですね、SF要素はありますが中身はしっかりとした医療漫画です。
脳外科医なのに研修医時代に経験したという理由で開腹手術や整形外科、時には帝王切開となんでもこなしてしまいますw
極めつけは江戸時代に抗生剤を開発してしまうというエピソードもあります。
しっかりと医療について調べて描かれているので、医療関係者も楽しく読むことができます。
「未来を変えてしまうかもしれない」という葛藤や、想い人にタイムトラベラーであることを告げたりと主人公の仁の心情も丁寧に描かれています。
続きものですがどこから読んでも楽しめる、そんな一冊です。
1位:ブラックジャック
Black Jack―The best 12stories by Osamu Tezuka (1) (秋田文庫)
第1位はもちろん手塚治虫先生のブラックジャックです。
有名な作品ですが、読んだことのない人は是非読んでください!医療漫画という枠を超えてもはや文学作品と言っても過言ではないです。
わずか20ページの中にこれほどまでに重厚なストーリーを描けるのは、やはり天才なのだと思い知らされます。
「ブラックジャックを読んで医者に憧れた」という医師も多い、様々な人の人生に影響を及ぼした作品でもあります。
手術や疾患の内容は古い(40年近く前ですからね)ですが、ただひたすらにブラックジャックというキャラクターの魅力が素晴らしいです。
昔に読んだことがある人も、もう一度読むと新たな発見があるおススメの一冊です。