看護学生向け記事

新卒でICU勤務はアリ?ICU看護師がメリットとデメリットを紹介します

看護学生みなさんの中には、『就職したらICU(集中治療室)で働きたい』という方もいるのではないでしょうか?

しかし『ICUにおける看護師の業務がわからない』や『ICU看護師に向いているのはどんな人?』といった疑問もあると思います。

そこで現役ICU看護師である筆者が、ICU看護師の業務の実際や、新卒でICU勤務するメリットなどを紹介したいと思います。

ICU看護師の役割

・重症患者さんの治療や看護を行なう

・担当する患者さんの数が少ない

・特殊な治療が多く、幅広い知識を求められる

・家族に対するケアが必要

集中治療室(ICU)は名前の通り、生命の危機に瀕した重症患者さんの集中治療を行なう病棟です。

看護師は重症患者さんを担当する為、患者さん2人に対して1人以上の看護師が担当する事が定められています。一般病棟とは違い受け持つ患者さんの数は少ないですが、患者さん一人に対して行なう観察やケアの時間が長いのが特徴です。

人工呼吸器や人工透析などの特殊な治療を行なう事が多く、医療機器に対する知識も必要になっています。また患者さんの家族は動揺している場合が多く、精神的なサポートが必要な場合が多いです。専門的な治療を分かりやすく説明したり、家族さんが感じている疑問や悩みを引き出す事も看護師の大切な業務です。

このように重症患者さんとその家族に対してケアを行う事がICU看護師の役割です。



新卒でICU勤務は可能?

結論から言えば、新卒でICU勤務は可能です。

以前までは『ICUで働くなら一般病棟で経験を積んでから』という風潮があり、新卒でICUへ配属となる事は少なかったです。しかし近年では全国的にICUやERでも新卒で配属されることが多くなっています。

筆者の働く病院でも、毎年新卒でICU勤務となる看護師が配属されています。

しかし病院によっては新卒でICUに配属されない事もあります。新卒でICU勤務したいなら、必ず病院見学や就職説明会などで確認しておきましょう。

一般病棟を経験してからICUに異動の方がいい?

一部の看護師サイトなどでは、『一般病棟を3年ほど経験してからICUに異動するべき』という意見を見かけます。

しかし筆者としては、新卒からICUで勤務する事は良いことだと思っています。確かに一般病棟より重症患者が多いので、学習することが多く、ストレスも強い部分があります。

ただきちんと勉強して、自主的に学べるならば新卒であっても全然ICUで勤務できます。一般病棟を3年経験してもICUできちんと働けるとは限りません。

学ぶことが好きな新人さんは、どんどん知識を吸収していきます。逆に10年以上働いている看護師でも、同じ失敗を繰り返す人もいます。

ICUに適しているかどうかは、個人の性格や能力によります。ICUは覚える事が多いので、経験年数が浅くてもバリバリ働いている看護師は多いです。



新卒でICU勤務するメリットとデメリット

筆者は新卒でICUに配属されていないですが、実際に新卒で配属された看護師さんを見て感じた、新卒でICU勤務のメリットとデメリットを紹介します。

メリット

人工呼吸器などの専門的な知識が学べる

ICUで働くメリットで大きいのが、専門的な知識が学べる事だと思います。

人工呼吸器、人工透析・大動脈バルーンパンピング・経皮的心肺装置など一般病棟ではなかなか行われない治療が行われるので、実際に管理する事で知識として身につきます。

もちろん学習は必要ですが、新人のうちから勉強しておけばいつまでも役に立つ知識となります。

中心静脈カテーテルや胸腔カテーテル、動脈圧ラインの留置などの準備や介助などの技術も身につけることができます。また鎮痛や鎮静、呼吸、循環の管理といった知識はどの病棟に行っても役に立つので、ICUで働いていると患者さんを観察する力である、フィジカルアセスメントが鍛えられます。

急変対応に強くなる

ICUでは状態の悪い患者さんが入室するので、患者さんが急変する可能性は高いです。急変に気づくためのモニタリングは、ICU看護師にとって必要な能力です。

いざ患者さんが急変した際には、医師と共に急変対応を行なう必要があります。心肺蘇生法はもちろん、気管挿管などの急変時における対応が身につくので、急変対応に強くなります

特に急変時の対応は医師や他のスタッフと呼吸を合わせる事が大切です。この急変時の雰囲気は、本では学べず現場で学ぶ必要があるので、ICUでは急変対応の様々な知識が身につきます。

記録や処置が少ないので、残業が少ない

ICUは患者さんの数が少ないので、看護記録や処置が一般病棟よりも少なく、比較的時間に余裕がある場合が多いです。

勤務終了前の緊急入室などで残業になる事もありますが、一般的にICUは残業が少ない事が多いです。

デメリット

ミスが生命の危機に繋がるので責任が重大

ICUでは人工呼吸器による呼吸管理や、昇圧剤などによる循環管理をしている場合が多いです。

昇圧剤などの薬剤を準備する際には、支持された量を間違えてしまうと患者さんの循環動態に影響を及ぼします。

シリンジポンプによる流量の間違いなどで、血圧や脈拍に影響を及ぼす事もあるので、常に集中が必要で責任感が求められるのがICU看護師です。

家族対応など精神的な負担が多い

重症患者さんの家族は大きなストレスを感じており、精神的なサポートが必要とされています。

家族のケアを行なうのは看護師の役目ですが、家族によっては患者さんの状態が受け入れられず、医療者に不満などを持つことも少なくありません。

家族への対応にストレスを感じる場面は少なくありません。ICUで働くなら家族に対しての言葉遣いなどの接遇が大事なのです。



就職の前に必ずICUの情報を知っておこう

ICUは病院によって患者さんの入室基準が違います。心停止後や熱傷などの重症患者さんを受け入れるICUもあれば、入院中に状態が悪くなった患者さんや手術後の患者さんを中心に受け入れるICUなど、病院によって特色があります。

病院では看護学生向けの合同説明会や病院見学を開催している事がほとんどなので、必ず参加するようにしましょう。特に職場体験であるインターンシップが可能なら、必ず参加するようにしましょう。

漠然と『ICUで勤務したい!』と思っている看護学生さんも多いと思います。就職してから『思っていたのと違う』とならないように、必ずICUの見学などを行なってから就職するようにしましょう。

 

ICU看護師に向いている性格は?

ICUでは一般病棟よりも覚える薬剤や処置が多いので、『勉強が嫌いor苦手』という看護師にはおすすめしません。

重症患者さんに対するケアや家族のケアは、精神的な疲労が強いです。その為精神的に強い看護師がICU看護師に適していると、筆者は考えています。

また生命の危機に瀕している患者さんが療養しているので、看護師の笑い声や話し方を気にする患者さんや家族さんも多いです。

その為おしゃべりが好きな看護師さんにはICU勤務は窮屈かも知れません。ルールをきちんと守り、接遇がしっかり行える人には最適な職場だと思います。

まとめ

・ICUでは患者さんだけでなく、家族に対してもケアが必要

・新卒でICU勤務は可能。病院によって異なるので、病院見学などで情報を得よう!

・ICUで勤務すると、専門的な知識や急変対応の知識が得られる

・病院によって扱う疾患などが異なる。必ず事前に情報を得てから就職するようにしよう

筆者は新卒でICUや手術室などの専門分野の勤務をおすすめします。確かに専門分野は覚える事が多く、新人のうちはハードかも知れません。しかしその分自分の実力となるので、若いうちに勉強すれば後々役にたちます。

筆者も新卒で手術室勤務となり、新人の頃はハードでしたが、その分しっかりと自分の知識となっています。

集中治療や救命の看護が学びたいのなら、是非ICUをおすすめします。